自己破産が無駄になる!司法書士が明かす致命的NG行動

借金が膨らみ、自己破産を考えていても、「何から始めればいいのか」「手続きを進めると何が起こるのか」と不安に感じる方は多いでしょう。

自己破産は、借金の苦しみから抜け出し、人生をやり直すための有効な手段ですが、誤った行動をすると再スタートが遠のくこともあります。

この記事では、杉山事務所の司法書士・杉山が解説する「自己破産前に絶対やってはいけないこと10選」をご紹介します。
正しい知識を身につけ、無駄なトラブルや後悔を避けて、安心して新しい一歩を踏み出しましょう。

自己破産とは?

そもそも自己破産とは、借金を返済する能力がない場合に、裁判所に申し立てを行い、借金を法的に帳消しにする制度のことです。日本では「破産法」という法律に基づいて手続きが進められます。

自己破産が認められると借金は免除されますが、その代わりに以下のような制限が発生します。

  • 財産の一部が処分される
  • 一定期間の資格制限を受ける

自己破産は借金に苦しむ人々にとって救済の制度ですが、正しい知識を持って臨むことが非常に重要です。

自己破産前に絶対にやってはいけないこと10選

自己破産の手続きをスムーズに進め、無事に免責を受けるためには、絶対に避けるべき行動があります。ここでは、特に注意が必要な10のポイントを解説します。

1. 資産を隠すこと

自己破産を申し立てる際、債務者は全ての資産を正確に裁判所に申告する義務があります。現金、貴金属、不動産などを意図的に隠したり、虚偽の申告をしたりすることは免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)に該当する可能性があり、借金が免除されなくなる恐れがあります。

【対策】

専門家へ全てを正直に開示する: 手続きを開始する前に、必ず司法書士や弁護士に相談し、所有する全ての資産(現金、預貯金、不動産、有価証券、自動車、保険、退職金など)をリスト化して正直に伝えましょう。

少額でも確認する: 「これも申告する必要があるのかな?」と迷うような少額の資産であっても、自己判断せずに専門家に確認することが大切です。

2. 特定の債権者にだけ返済すること

自己破産手続きが始まると、全ての債権者を平等に扱うことが原則となります。もし、特定の親しい人や会社にだけ優先して返済してしまうと、それは偏頗弁済(へんぱべんさい)と見なされ、不利な扱いを受ける原因となります。

【対策】

専門家へ相談し指示を仰ぐ: 返済の優先順位をつけたい気持ちがあったとしても、専門家に相談し、法律に基づいた適切な対応を取りましょう。

返済を一旦停止する: 自己破産の準備を始めた段階で、全ての返済を一旦停止し、その旨を債権者に伝えるのが最善の方法です。自己判断での返済は避けましょう。

3. 高額な買い物をする

破産手続きの直前、または手続き中に高額な買い物をする行為は浪費と判断される場合があります。この浪費も免責不許可事由の一つとなる可能性があるため、要注意です。

【対策】

家計簿・支出明細で把握する: 家計簿や支出明細をしっかりとつけ、「必要な出費」と「不必要な出費」を明確に把握することが重要です。

生活必需品以外の購入は控える: 家賃、食費、光熱費など、生活に不可欠な支出以外の高額な購入(ブランド品、最新家電、旅行など)は、自己破産手続きが完了するまでは控えることが安全です。

4. 家族や友人に名義を借りる

自分の財産を隠す目的で、家族や友人の名義を使って資産を移す行為は「詐欺行為」と見なされ、法律上非常に重いペナルティが課される可能性があります。

【対策】

正直な申告が最優先: 財産を守りたい気持ちは理解できますが、正直に全ての資産を申告することが何よりも優先されます。

専門家と合法的な解決策を探る: このような状況に陥る前に、専門家に相談し、合法的な解決策を一緒に探すべきです。

5. 虚偽の収支報告をする

裁判所に提出する書類には、債務者の収支状況を詳細かつ正確に記載する必要があります。嘘の報告をしても、金融機関の取引履歴などの調査によって必ず発覚してしまいます。

【対策】

正確な記録の作成: 過去の収入や支出を正確に記録するために、銀行の通帳やレシート、給与明細などを確認しながら、誠実に書類を作成しましょう。

不明点は専門家へ確認: 不明な点があれば、必ず専門家(司法書士や弁護士)に相談して、正しい記載方法を確認するようお願いします。

6. ギャンブル・浪費を続ける

破産申し立て後もギャンブルや過度な浪費を続けていると、「浪費癖がある」と判断され、免責が認められなくなることがあります。

【対策】

利用の即時中止: ギャンブルの記録が残る通帳やカード明細をチェックし、直ちに利用を中止しましょう。

依存症の専門機関を利用する: もしギャンブル依存症の可能性がある場合は、専門の相談機関やカウンセラーの力を借りることも真剣に検討してください。

7. 勝手に会社を辞める

自己破産手続き中において、収入の有無は非常に重要な要素となります。もし勝手に会社を辞めて収入がなくなってしまうと、返済計画や手続き自体がさらに難しくなる場合があります。

【対策】

次の収入源を確保してから退職を検討: 現在の職場がストレスで限界だという場合でも、退職を決断する前に、次の安定した収入源を確保しておくことが大切です。新しい仕事を見つけてから、退職の準備を進めるようにしましょう。

8. 専門家(弁護士・司法書士)に相談しない

自己破産の手続きは非常に複雑です。専門知識がない状態で一人で進めようとすると、書類の不備や法律的な判断ミスによって、余計なトラブルや失敗が発生する可能性が高まります。

【対策】

検討し始めたらすぐに相談する: 自己破産を少しでも検討し始めたら、すぐに弁護士や司法書士に相談することを強く推奨します

専門家は最善の解決策を提案: 専門家はあなたの状況を正確に把握し、自己破産だけでなく、個人再生や任意整理といった他の債務整理も含め、あなたにとって最善の解決策を提案してくれるでしょう。

9. クレジットカードを使い続ける

自己破産手続き前に、クレジットカードを使い続けてさらに借金を増やす行為は、「意図的に借金を増やした」と見なされる場合があります。これも免責不許可事由に該当する可能性があります。

【対策】

自己破産を決意したらすぐに解約: 自己破産を決意した段階で、全てのクレジットカードは速やかに解約しましょう

現金払いに切り替える: 以降は現金払いやデビットカードに切り替え、支出を最低限に抑えることが大切です。

10. 現実から逃げること

最もやってはいけないことの一つが、借金問題から目を背け、現実から逃げてしまうことです。借金問題は放置していても、自然に解決することはありません。むしろ状況は悪化する一方です。

【対策】

まずは一歩踏み出す: 破産手続きに必要な書類や情報を集める、専門家へ相談の予約を入れるなど、まずは一歩踏み出し、現実と向き合う姿勢が何よりも大切です。

一人で抱え込まず専門家へ相談: 一人で抱え込まず、信頼できる家族や杉山事務所のような専門家(司法書士や弁護士)に必ず相談してください。専門家はあなたの味方となり、新しい人生への道を共に歩んでくれるでしょう。

まとめ

この記事では、杉山事務所の司法書士である杉山先生が解説した「自己破産前に絶対にやってはいけないこと10選」をご紹介しました。

自己破産は、借金に苦しむ方にとって大きな決断であり、新しい人生への第一歩です。しかし、正しい知識と専門家との適切な連携なしに手続きを進めてしまうと、かえって苦しい状況に陥り、本末転倒になってしまう可能性があります。

もし現在、借金や破産について悩んでいる場合は、決して一人で抱え込まず、必ず専門家に相談してください。杉山事務所をはじめとする専門家は、皆さんの不安を少しでも軽くし、適切なサポートを通じて新しい人生をスタートさせるチャンスを確実に掴むお手伝いをいたします。

この記事が、あなたの再スタートの一助となれば幸いです。