借金返済に悩み、自己破産を検討しているものの「破産後の生活がどうなるのか」「周囲に知られてしまうのでは…」と不安に感じる方は多いでしょう。
自己破産は借金をゼロにできる強力な制度ですが、誤解や不安もたくさんあります。
この記事では、司法書士の杉山先生の解説をもとに、自己破産後の生活にまつわる代表的な誤解と、その真実、さらに実際の制限についてわかりやすくご案内します。
自己破産とは?借金は本当にゼロになる?
まず、自己破産の基本的な効果と、多くの人が抱く疑問について触れておきましょう。
自己破産は、多重債務に苦しむ人を経済的に更生させるため、国が認めた法的な手続きです。裁判所に申し立て、免責許可決定を受けることで、原則として抱えている借金の支払い義務が免除され、借金がゼロになります。
しかし、「本当に全ての借金がなくなるの?」「何かペナルティがあるのでは?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

自己破産後の生活「7つの大きな誤解」を解く!
自己破産をすると、その後の生活に様々な悪影響が出るという噂を耳にすることがあります。しかし、その多くは誤解です。動画で杉山先生が指摘している代表的な誤解と、その真実を見ていきましょう。
❌会社に破産がバレて解雇される
✅法律で禁止されているため、自己破産を理由に解雇されることはありません。安心してください。
❌将来年金がもらえなくなる?
✅年金は差押禁止財産なので、自己破産の影響は受けません。将来の生活も守られています。
❌生活保護を受けられなくなる?
✅生活保護は自己破産とは別の制度です。破産しても受給資格は変わりません。
❌パスポートを取り上げられる?海外旅行に行けない?
✅手続き中は裁判所の許可が必要な場合もありますが、終了後は自由に海外旅行が可能です。
❌スマホが使えなくなる?
✅ 端末代金の未払いがなければ利用は継続可能。ただし、新規契約や分割購入の審査は厳しくなることがあります。
❌戸籍に記載される?
✅ こうした記録が残ることは一切ありません。プライバシーは守られています。
❌賃貸住宅に住めなくなる?選挙権が失われる?子供が就職で不利になる?テレビや家電も全部没収?
✅ 家賃を支払えば賃貸住宅には住み続けられますし、選挙権や就職に影響はありません。生活に必要な家財も一定範囲は没収されません。
動画で杉山先生が強調しているように、自己破産は人生の終わりではなく、経済的に立ち直り、ゼロから再スタートするための制度なのです。

自己破産後の「本当の制限」とは?
誤解を解いたところで、次に自己破産をした場合に実際に生じる制限について見ていきましょう。これらは主に「破産手続中」と「破産手続終了後」に分けられます。
破産手続中に生じる制限
破産手続が進行している間は、いくつかの行動に制限がかかります。
● 引越し・宿泊を伴う旅行
裁判所の許可が必要になります。これは仕事上の出張も同様です。
● 郵便物の転送
破産者宛の郵便物は、破産管財人(裁判所から選任され、財産の管理や調査を行う弁護士)に転送され、内容を確認されることがあります。
● 財産の処分
一定額以上の価値のある財産(持ち家、高価な車など)は、原則として処分され、債権者への配当に充てられます。ただし、99万円以下の現金や、生活に必要不可欠な家財道具などは手元に残すことができます。

職業に関する制限
破産手続中および免責許可が確定するまでの間、一部の職業に就くことができなくなります。
● 士業(資格職)
- 弁護士
- 公認会計士
- 司法書士
- 税理士
- 弁理士 など
● その他の職業
- 宅地建物取引士(宅建)
- 古物商(リサイクル業など)
- 警備員
- 保険募集人(生命保険・損害保険)
※これらの職業についている場合は、破産手続前に専門家への相談が重要です。
※免責が確定すれば、就業制限は解除されます(多くは数ヶ月程度で復権可能)。
免責許可とは? 裁判所が「借金の支払い義務を免除します」と正式に認める決定のことです。
破産手続終了後に残る影響
免責許可決定を受け、破産手続が終了した後も、いくつかの影響が残ります。
●信用情報への登録(いわゆるブラックリスト)
自己破産すると、信用情報機関に事故情報として登録されます。
約5~7年間は、新たなローン契約やクレジットカードの作成が難しくなります。
※ただし、デビットカードや口座引き落としで日常生活に大きな支障はありません。
●官報への掲載
自己破産の情報は「官報」という公的な情報紙に掲載されますが、一般の人が官報を見ることはほとんどありません。
そのため、周囲に知られる可能性は極めて低いと言えます。

自己破産しても支払い義務が残るもの
自己破産をしても、全ての支払い義務が免除されるわけではありません。以下のようなものは、免責の対象外となり、支払い続ける必要があります。
・税金や社会保険料、罰金
・悪意で加えた不法行為による損害賠償金
・故意または重過失によって他人の生命や身体を害した不法行為の損害賠償
・婚姻費用や養育費
これらの「非免責債権」については、破産手続後も支払い義務が残ることを理解しておく必要があります。
【要注意!】破産後の闇金からの甘い誘い
動画で特に注意喚起されているのが、自己破産後の闇金からの勧誘です。
破産手続が終わった途端に「お金を貸します」といったDMや電話が来ることがあります。
一見、親切そうに見えるこの連絡——
実は、あなたの弱みにつけこんだ闇金からの危険な誘いです。
実は、一度自己破産をした人は、その後原則として7年間は再度自己破産をすることができません。
この制度を悪用し、闇金は「どうせ逃げられない」と考えて、法外な高金利でお金を貸しつけてくるのです。
ここで甘い誘いに乗ってしまうと、再び借金地獄に逆戻りすることになりかねません。
杉山先生も「もう二度とお金を借りないで生活していきましょう」と話しています。再出発を邪魔する誘惑に負けず、きっぱり断る勇気が大切です。
まとめ:自己破産は再スタートのチャンス!正しい知識で不安を解消しよう
いかがでしたか?
自己破産後の生活について、多くの誤解が解け、実際にどのような影響があるのかをご理解いただけたのではないでしょうか。
自己破産は、決して人生の終わりではありません。
むしろ、借金の苦しみから解放され、新たな人生をスタートさせるための「再スタートの手段」です。
確かに一定期間の制限はありますが、多くの人が心配するような過度なデメリットは誤解であることが多いです。
大切なのは、一人で抱え込まず、正しい情報を知ること。
借金問題に詳しい司法書士などの専門家に相談するだけでも、気持ちがぐっと楽になります。
もし今、借金で不安を感じているなら――
どうか勇気を出して、私たちにご相談ください。
司法書士法人 杉山事務所は、あなたの再出発を全力でサポートいたします。

