即日解決も可能?借金トラブルに有効な少額訴訟のメリットと注意点

「貸したお金が返ってこない…でも、裁判なんて時間もお金もかかるし、諦めるしかないのかな?」

そう思っているあなたに、たった1日で決着をつけることができる法的手段があるのをご存知でしょうか。その名は「少額訴訟(しょうがくそしょう)」

今回は、知っている人だけが得をする、少額の金銭トラブルを即日解決するための「裏技」について、司法書士の視点からプロが詳しく解説します。

1. 少額訴訟とは? 3つの大きな特徴

少額訴訟とは、簡易裁判所で取り扱われる特別な裁判手続きのことです。最大の特徴は、以下の3点に集約されます。

【特徴1】金額は「60万円以下」限定

60万円を超える請求には利用できない、限定的な制度です。

【特徴2】審理は原則「1回」で完結

通常の裁判は数ヶ月〜数年かかることもありますが、少額訴訟は原則としてたった1回の裁判(口頭弁論)で終わります

【特徴3】判決までが非常にスピーディー

原則として、裁判の当日、または非常に短い期間で判決が出されます

通常の民事訴訟に比べて手続きが簡略化されており、収入印紙代などの費用も安く抑えられるのがメリットです。

2. 具体的にどんなトラブルで使える?

以下のような「60万円以下の金銭トラブル」なら、少額訴訟の出番です。

  • 知人・友人への貸金: 「すぐ返す」と言ったきり音沙汰がない。
  • フリマ・オークション: 商品を送ったのに、相手が支払いをバックれた。
  • 売掛金(うりかけきん)の回収: 仕事をしたのに報酬が振り込まれない。
  • 敷金返還(しききんへんかん): 退去時に不当に敷金が引かれた。

3. 手続きの流れ:どうやって進めるの?

準備から解決まで、大きく分けて3ステップです。

ステップ1:訴状(そじょう)の作成

裁判所に「誰から誰に、いくら請求するか」を記した書類を出します。

※訴状とは:裁判を始めるために裁判所に提出する、訴えの内容を書いた書類

ステップ2:証拠の準備

借用書、メールやLINEのやり取り、振込明細など、貸した事実がわかるものを揃えます。

ステップ3:裁判当日(口頭弁論)

裁判官の前で話し合います。ここで双方が歩み寄れば和解(わかい)決着がつかなければ判決となります。

※和解とは:双方が話し合いで妥協し、争いを終わらせること。

4. 「通常訴訟」や「調停」との違い

比較項目少額訴訟通常訴訟調停
時間と手間原則1回で終了。早い。複数回の期日が必要。数ヶ月〜数年。話し合いのため回数は流動的。
金額上限60万円以下上限なし上限なし
解決方法裁判官による「判決」裁判官による「判決」当事者同士の「話し合い」

「白黒はっきり判決をつけてほしいけれど、時間はかけたくない」という場合に、少額訴訟は最適です。

5. ここだけは注意!少額訴訟のリスク

非常に便利な制度ですが、以下の点には注意が必要です。

  • 相手が拒否できる 相手が通常裁判を希望すると、通常の長期裁判に移行します。
  • 強制執行は別手続き 判決が出ても相手が払わない場合、相手の口座を差し押さえるなどの別手続きが必要になります。※強制執行(きょうせいしっこう)とは:判決に従わない相手から、国の力を使って強制的に財産を回収すること。
  • 複雑な事案には向かない
    証拠調べが複雑だったり、契約内容が多岐にわたる場合は、通常訴訟の方が適していることがあります。

結論:少額だからと諦める必要はありません!

「数万円だし、勉強代だと思って諦めよう…」そう考える前に、まずは少額訴訟を検討してみてください。相手にとっても「裁判所から通知が届く」というのは大きなプレッシャーになり、それだけで支払いに応じるケースも多々あります。

「自分でやるのは不安」「相手と直接話したくない」という場合は、司法書士や弁護士に相談するのも一つの手です。

あなたの平穏な生活を取り戻すために、法的な一歩を踏み出してみませんか?