「自己破産だけは避けたい…」
「任意整理では返済がまだ厳しい…」
そんなお悩みを抱える方にとって、もう一つの有力な選択肢が「個人再生」です。
この記事では、司法書士・杉山先生の解説をもとに、
- 個人再生とは何か
- 自己破産や任意整理との違い
- メリット・デメリット
などをわかりやすく整理してご紹介します。
「借金を減らしたいけど、家は残したい」
そんな希望を持つ方は、ぜひ参考にしてください。

個人再生とは?自己破産・任意整理との違いも簡単に解説
まず、個人再生とはどのような手続きなのでしょうか。
個人再生は、任意整理と自己破産の中間にあたる法的手続きで、特に以下のような方に向いています。
- 借金の総額が大きく、任意整理では返済が難しい方
- どうしても手放したくないマイホームがある方
具体的には、裁判所に申し立てを行い、再生計画の認可を受けることで借金を大幅に減額してもらう手続きです。減額された借金は、原則3年(最長5年)かけて分割で返済していきます。
自己破産のように借金がゼロになるわけではありませんが、その分、後で解説する大きなメリットが得られます。

個人再生のメリット|借金が最大90%減額される可能性も!
メリット① 元本が大幅カット!借金が最大1/10になるケースも
任意整理では、カットできるのは「将来の利息分」が中心ですが、個人再生では借金の元本そのものを大幅に減額できます。
法律に基づいた基準により、借金総額が5分の1〜10分の1になる可能性があります。

✅ たとえば、600万円の借金がある場合
最低返済額は120万円(5分の1)。
これを3年(36ヶ月)で返済するなら、月の返済額は約33,000円まで抑えられます。
借金額が大きい方ほど、返済の負担が大きく軽減されます。
メリット② 「住宅ローン特則」でマイホームを守れる
自己破産では原則、住宅などの財産は処分対象となります。
しかし、個人再生では「住宅ローン特則」という制度を活用することで、自宅を手放さずに済む可能性があります。
この制度を利用すれば、住宅ローンは返済を続けつつ、それ以外の借金のみを大幅に減額できます。その結果、大切なマイホームに住み続けながら生活を再建できるのです。

この特則を利用するには、住宅ローン以外の担保権が設定されていないなど、いくつか条件があります。
なお、この特則は返済中の住宅ローンを守るための制度なので、すでに完済している場合は利用できません。
その場合、家は他の財産と同様に資産として扱われ、返済計画に影響する可能性があります。

メリット③ 専門家に依頼すれば取り立てが止まる
個人再生を司法書士や弁護士に依頼すると、債権者に「受任通知」が送られます。
この通知が届いた時点で、業者からの取り立て(電話・郵送など)は法律で禁止されます。
精神的に追い詰められていた方にとって、取り立てが止まるだけでも大きな安心感につながります。

知っておくべき個人再生の3つのデメリット
もちろん、メリットばかりではありません。事前に知っておくべきデメリットについても確認しましょう。
デメリット① 信用情報に傷がつく(ブラックリスト状態)
個人再生を行うと、信用情報機関に事故情報(いわゆるブラックリスト)として登録されます。
そのため、約5年〜10年は以下のような影響があります。
- クレジットカードの新規発行不可
- 各種ローンの契約不可
- 携帯電話の分割払いが通らない など

ただし、これは一生続くものではありません。登録期間が過ぎれば、再びクレジットカードを作成したり、ローンを組んだりできるようになります。

デメリット② 官報に掲載される

個人再生をすると、氏名・住所などの情報が国が発行する「官報」に掲載されます。
ただし、官報は一般人が日常的に閲覧する媒体ではないため、周囲に知られるリスクはかなり低いと考えてよいでしょう。
デメリット③ 手続きが複雑で専門家のサポートが必須
個人再生は、債務整理の中でも最も複雑な手続きです。
- 再生計画案の作成
- 家計収支や財産状況の報告
- 裁判所への申立書類の作成
- 債権者への対応 など

これらの手続きには専門的な知識が不可欠なため、専門家(司法書士・弁護士)への依頼がほぼ必須となります。

まとめ:あなたに合った再スタートのために
この記事では、「個人再生」について、その仕組みやメリット・デメリットを解説してきました。
特に、以下のような方にとって有効な手続きとなる可能性があります。
✅ 住宅ローン返済中のマイホームがある
✅ 借金額が大きく、任意整理では完済が難しい
✅ 自己破産は避けたい事情がある
このように個人再生とは、
「家などの大切な財産を守りながら、借金の元本を大幅に減らせる」という、再スタートに向けた強力な選択肢なのです。

もし、このような状況でどうすればいいのか分からず一人で悩んでいるなら、専門家への相談が解決の第一歩です。
杉山事務所では、借金問題に関する無料相談を実施中です。
あなたの状況に合った解決策を、一緒に見つけていきましょう。
まずは、お気軽にご相談ください。