司法書士が解説!スマホ分割払いでブラックリスト入り?

「ブラックリストって、ギャンブルやFXで多額の借金を作った人の話でしょ?」

多くの方が、ブラックリストを自分とは無関係な特別なものだと考えているかもしれません。しかし、その原因はスマホの分割払いや奨学金の滞納など、私たちの生活に潜む意外な落とし穴にあるかもしれません。

知らない間にブラックリストに登録されてしまい、ローンが組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなったりして途方に暮れる…そんな事態は誰にでも起こり得ます。

この記事では、司法書士・杉山先生の解説を元に、「ブラックリスト」の正体から、

  • どうなったら載ってしまうのか?
  • 載るとどんな影響があるのか?
  • 一度載ったら消すことはできるのか?

といった疑問まで、徹底的に掘り下げていきます。正しい知識を身につけ、ご自身の信用情報を守るための対策を始めましょう。

そもそも「ブラックリスト」とは?

まず知っておいていただきたいのは、「ブラックリスト」という名前の名簿は、実は存在しないということです。

一般的に「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関に「返済の遅れ」や「債務整理」などの金融事故情報が登録された状態を指します。

信用情報機関は、個人のローンやクレジットカード利用履歴を一元管理している機関です。金融機関はローンやカードの審査時にこの情報を確認し、「この人にお金を貸しても大丈夫か」を判断しています。

【要注意】ブラックリストに載る3つの主な条件

では、具体的にどのような場合に事故情報が登録されてしまうのでしょうか。主な原因は以下の3つです。

①借金の延滞・滞納(61日以上)

クレジットカードやローンの返済を滞納すると、その事実が信用情報に記録されます。

特に注意したいのは、スマートフォン本体代金の分割払いも対象になるという点です。

一度や二度の支払い忘れですぐに登録されるわけではありませんが、一般的に61日以上(約3か月)の延滞で事故情報として登録される可能性が高まります。

②奨学金の延滞

「奨学金は学生を助ける制度だから、多少遅れても大丈夫だろう」と思うのは大きな誤解です。

奨学金も立派な「借金」。返済が遅れれば当然ブラックリストに載ります。
さらに延滞金が発生し、督促を無視し続けると訴訟や差し押さえに発展する可能性があります。

裁判になれば、残額の一括返済を求められるケースもあり、負担は想像以上に重くなります。決して軽視してはいけません。

③債務整理をした場合

返済が困難になった借金を法的に整理する「債務整理」を行った場合も、事故情報として登録されます。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

これらの手続きを行うと、信用情報には「異動」と記載されます。これは「返済能力に関する信用を失っている状態」を意味し、新たな借り入れやクレジットカードの審査はほぼ通らなくなります。

【補足】過払い金請求の場合は?
「過払い金請求」も債務整理の一種ですが、借金がゼロになったケースではブラックリストには載りません
杉山事務所は過払い金請求に力を入れており、返還請求金額の実績で日本一を獲得した経験もございます。お気軽にご相談ください。

ブラックリストに載るとどうなる?3つの生活への影響

ブラックリスト状態になると、日常生活のさまざまな場面に制約が出てきます。代表的な3つの影響を見てみましょう。

1.ローンが組めなくなる

住宅ローンやマイカーローン、教育ローンなど、あらゆるローンの審査に通りにくくなります
さらに、安易に複数のローンへ申し込むと、その「申込履歴」も信用情報に残り、より不利になることがあるため注意が必要です。

2.クレジットカードが作れない・使えなくなる

新規のカード発行はほぼ不可能になります。
また、カード会社は定期的に利用者の信用情報を確認しているため、今使っているカードも更新時に停止されるリスクがあります。
どうしてもカードが必要な場合は、

  • デビットカード
  • プリペイドカード
  • 家族カード

など、審査不要の代替手段を検討するとよいでしょう。

3.賃貸の入居審査に通りにくくなる

最近の賃貸物件は「家賃保証会社」の利用が必須なケースが多く、その際に信用情報をチェックされることがあります。
ブラックリスト状態だと、入居審査で不利になり、希望の物件を借りられない可能性もあります。

ブラックリストは消せる?消えるまでの方法と期間

「一度載ってしまったら、もう消せないの?」と不安に思う方も多いですが、ブラックリストの情報は永久に残るわけではありません

ブラックリストから情報を消す方法は、ただ一つです。

滞納している借金を完済し、そこから一定期間が経過するのを待つこと

この「一定期間」は、事故情報の内容によって異なりますが、一般的には完済してから5年程度が目安です。
つまり、借金をきちんと完済しなければ、ブラックリストの情報は消えません。

ブラックリストを消すためにできること

・返済が厳しいと感じるなら、司法書士や弁護士に相談して債務整理を検討する
・可能であれば繰り上げ返済や一括返済を検討する
・難しい場合は、まずは無理のない返済計画を立てる

まとめ:ブラックリストで悩む前に、専門家へ早めの相談を

今回は、今さら聞けない「ブラックリストの仕組み」について解説しました。

ブラックリストに載るのを恐れて相談を先延ばしにすると、返済の延滞や滞納が積み重なり、結果的にブラックリストに登録されてしまいます。そうなれば、ローンやクレジットカードが使えなくなるなど、生活への影響は大きくなってしまいます。

一方で、司法書士などの専門家に早めに相談すれば、状況に応じた最適な解決方法を一緒に考えてくれます。当事務所でも借金問題に真剣に取り組み、数多くの方の生活再建をサポートしてきました。

杉山事務所では相談は無料です。借金の不安を一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。