「返済日が近いのに、お金がない…」
「もうどうすればいいか分からない…」
借金の返済に追われる毎日は、本当に辛いものです。不安と焦りで頭がいっぱいになり、「自分はもうダメだ」とさえ感じてしまうかもしれません。
この問題で最も大切なのは、パニックにならず、冷静に、正しい手順で行動することです。本記事では、借金問題で迷ったときにまず取るべき具体的な行動を、司法書士の視点も踏まえてわかりやすく整理します。
一人で悩まず、この記事を参考にして、この記事をガイドに「できること」を一つずつ試してみてください。問題解決に向けて、一歩ずつ着実に前進していきましょう!
【STEP1】まずは現状把握から
何から手をつけていいか分からない時こそ、まずは基本に立ち返ることが重要です。最初の一歩「自分の状況を正確に把握すること」から始めましょう。
① 借金の全体像を把握する
借金問題に直面したとき、最初にやるべきことは「現状の可視化」です。これが問題解決の全ての土台となります。

以下の3つのポイントを紙に書き出してみましょう。
- 借入金の総額はいくらか
- 借り先(債権者)はどこか
※債権者=お金を貸してくれた金融機関やカード会社のことです - 金利や返済期限はどうなっているか
全体像を把握することで、漠然とした不安が「解決すべき課題」に変わり、次の一歩が踏み出しやすくなります。
② 収入と支出を整理する
次に、毎月の収入と支出を洗い出し、どこに無駄な支出が潜んでいるか、節約できるポイントはないかを探します。

- 固定費: 家賃、スマホ代、光熱費、保険料など
- 変動費: 食費、交際費、娯楽費など
- 不要なサブスク: 本当に利用しているか?動画配信サービスやアプリの契約
例えば、外食を自炊に変えたり、使っていないサブスクを解約したりするだけでも、返済に回せるお金を生み出せます。
【STEP2】具体的な解決策を実行する
現状を把握したら、次はいよいよ具体的な行動に移ります。ここで大切なのは、一人で抱え込まず、早めに相談・行動することです。
③ 【一番のNGなのは放置】借入先に相談する
「返済が難しい…」と感じたら、返済日を過ぎてしまう前に、借入先に正直に相談しましょう。

金融機関も「貸し倒れ」を避けたいので、誠実に話せば返済額の減額や利息のみの支払い(元本据え置き)など、柔軟に対応してくれる場合があります。
早めの連絡=信頼関係を保つ第一歩です。無視して延滞を重ねるより、はるかに解決につながります。
④ 公的機関や無料相談窓口を活用する
日本には、無料で相談できる公的な窓口が多数存在します。

代表的な相談先は以下の通りです。
- 日本弁護士連合会の法律相談センター
- 消費生活センター
- お住まいの自治体の無料法律相談
- 地方司法書士会の無料相談
これらの窓口では、専門家があなたの状況に応じたアドバイスをくれます。費用はかからないので、まずは電話をかけてみることを強くオススメします。
⑤ 「債務整理」を検討する
どうしても返済の目処が立たない場合は、債務整理という法的な手続きを検討しましょう。
※債務整理(さいむせいり)とは: 法律に基づいて借金を減額したり、支払いを免除してもらったりすることで、生活の再建を目指す手続きの総称です。
債務整理には、主に以下の3つの方法があります。
1.任意整理:
裁判所を通さず、専門家(弁護士や司法書士)が債権者と直接交渉し、将来発生する利息をカットしてもらい、元本のみを3〜5年で分割返済していく方法。最も多く利用されています。

2.個人再生:
裁判所に申し立て、借金を約5分の1〜10分の1に大幅に減額してもらう方法。住宅ローンが残っていても、マイホームを手放さずに手続きできる可能性があります。

3.自己破産:
裁判所に「返済不能」であることを認めてもらい、借金の支払い義務を全額免除してもらう方法。高価な財産は手放す必要がありますが、生活を再スタートさせるための最終手段です。

どの方法が最適かは、あなたの借金額や収入、財産の状況によって異なります。必ず弁護士や司法書士などの専門家に相談して決めましょう。
【STEP3】生活と心を立て直すためのアプローチ
借金問題は「お金の整理」だけでなく、生活全体や心の状態を立て直すことが再スタートへの大切なポイントです。
⑥ 副業や収入アップを考える
支出を減らす努力と同時に、収入を増やすことも有効な手段です。

- クラウドソーシングでの在宅ワーク
- フリマアプリで不要品を販売
- 短期アルバイトやパートタイム
ご自身の体力や時間と相談しながら、できる範囲で始めましょう。
⑦ 信頼できる家族や友人に打ち明ける
借金の悩みを一人で抱え込むのはとても辛いことです。信頼できる家族や友人に状況を相談することで、精神的な負担が軽くなることがあります。

ただし、安易に借金を肩代わりしてもらうのは避けましょう。 それが原因で大切な人間関係にヒビが入る可能性もあります。あくまで精神的な支えとして、話を聞いてもらうだけでも心は楽になるはずです。
⑧ 金融リテラシーを高める
借金問題を二度と繰り返さないために、金融リテラシー(お金に関する知識や判断力)を高めましょう。

予算の立て方や金利の仕組みなど、基本的な知識を学ぶことで、お金と上手に付き合えるようになります。書籍や無料のオンライン講座などを活用し、計画的なお金の使い方を身につけましょう。
【STEP4】最も大切なこと
ここまで具体的な解決策をお伝えしましたが、最後に、借金問題と向き合う上で、最も心に留めておいてほしいことをお伝えします。
⑨ 必要なら心理的サポートを受ける
借金問題は、心に大きなストレスを与えます。

眠れない、食欲がないといった状態が続く場合は、心理カウンセラーやメンタルヘルスの専門家に相談することも検討してください。心をケアすることで、問題解決に向けて冷静に取り組むエネルギーが湧いてきます。
⑩ 自分を責めすぎない
借金で苦しんでいると、「自分がだらしなかったからだ」と自らを責めてしまいがちです。しかし、自分を過度に責める必要は全くありません。
病気や失業など、誰にでも予期せぬ事態は起こり得ます。大切なのは、過去を悔やむことではなく、「今、解決に向けて行動している自分」を認めてあげることです。
専門家に頼ることは、決して恥ずかしいことではなく、未来のための賢明な選択です。
まとめ:勇気を出して、まずは相談から始めよう
借金問題は、正しい知識を持って行動すれば、必ず解決できます。今回ご紹介した10のステップを、ぜひ参考にしてください。
- 冷静に状況を把握する
- 家計を見直す
- 債権者に相談する
- 公的機関や無料相談窓口を活用する
- 債務整理を検討する
- 副業や収入アップを考える
- 家族や友人に相談する
- 金融リテラシーを高める
- 心理的サポートを受ける
- 自分を責めすぎない
一人で抱え込まず、まずは無料相談から、解決への第一歩を踏み出しましょう。
