「毎月の返済が苦しくて、生活がままならない…」
「督促の連絡に、精神的に追い詰められている…」
そんな借金の悩みから抜け出すための一筋の光として、「任意整理」を検討されている方は多いのではないでしょうか。
任意整理は、自己破産などと比べてデメリットが少なく、借金問題を解決するための非常に有効な手段です。
しかし、この任意整理、実は誰でも利用できるわけではないということをご存知でしたか?
これまで10,000件以上の借金相談をお受けしてきた中で、「任意整理をしたいけれど、断られてしまった」「自分のケースではできないと知って、どうすればいいか分からない」という声を数多く聞いてきました。
そこで今回は、借金問題のプロである司法書士の視点から、「任意整理ができないまたはしない方がいい7つのケース」を徹底的に解説します。
そもそも「任意整理」ってどんな手続き?
本題に入る前に、任意整理の基本を簡単におさらいしましょう。
任意整理とは、お金を借りた人(債務者)が、お金を借りている会社(債権者)と交渉する手続きです。この交渉によって、
- 将来発生する利息を全額カット
- 残った元金だけを3年〜5年で分割返済
裁判所を通さないため、手続きが簡単で費用も抑えられるのが大きなメリットです。
では、この任意整理が利用できないのは、一体どんな場合なのでしょうか?早速見ていきましょう。
任意整理ができない7つのケースと対処法
返済能力が不足している

任意整理は、元金を3~5年かけて分割返済することが前提です。
そのため、毎月きちんと返済できる安定した収入がなければ、交渉すら難しくなります。
【ポイント】
- 正社員でなくてもOK(パート・アルバイト・年金収入も可)
- 家族の支援で返済できる場合も、認められることがあります
収入の「形」よりも、「継続性」が大切です。
債権者が和解に応じてくれない

任意整理は、貸金業者との“交渉”によって返済条件を見直す手続きです。
しかし、債権者には交渉に応じる義務がないため、拒否される可能性もあります。
ただし、自己破産されるよりも「元本だけでも返してもらった方がよい」と考える業者が多いため、ほとんどの場合は応じてもらえます。
注意すべきは、以下のようなケースです。
- 借りてから一度も返済していない
- 過去に何度も滞納を繰り返している
- 個人で交渉しようとしている

特に個人での交渉は断られやすいため、司法書士などの専門家に相談するのが確実です。
任意整理できない種類の借金だった

「借金」と一括りに言っても、その性質によって任意整理ができるものと、できないものに分かれます。
任意整理できるもの
- カードローン
- 個人からの借金
- 会社間の借金
- ローン(住宅・車など)
- クレジットカードの支払い(分割・リボ)
- ギャンブルで作った借金
【補足】
ちなみに、ギャンブルで作った借金は、原則として自己破産はできません。しかし、任意整理であれば手続きが可能です。
一方で任意整理できないもの
- 税金(所得税、住民税、自動車税など)
- 社会保険料(年金、健康保険料)
- 公共料金(電気、ガス、水道)
- 損害賠償金(交通事故の賠償金、慰謝料、養育費など)
特に税金や社会保険料は、国や自治体に対する義務であるため、任意整理では減額できません。
もし滞納している場合は、直接役所に相談して分割払いの交渉をする必要があります。
保証人や担保がついている借金

このケースは、「できない」というより「しない方がいい」ケースです。
- 担保がある借金(住宅ローン、自動車ローンなど)
→任意整理をすると、担保になっている家や車は引き上げられてしまいます。 - 保証人・連帯保証人がいる借金
→あなたが任意整理すると、保証人に残りの借金が一括で請求されてしまいます。
ただし、任意整理は対象の借金を選べるのが特徴。
家や保証人に関わる借金はそのままにし、他の借金だけを整理するという柔軟な対応も可能です。
すでに借入先から差押えにあっている

借金を滞納し続けると、債権者は裁判所を通じて「支払督促」を送ってきます。
この通知を2週間放置すると、給与などを差し押さえる強制執行が可能になります。ここまで進むと、任意整理はほぼ不可能。交渉も難しくなるため、早めの対応が重要です。
生活保護を受けている

生活保護費は、借金の返済に使うことが認められていません。
そのため、返済が前提の任意整理や個人再生は利用できず、発覚すれば不正受給として保護が打ち切られる可能性もあります。
このような場合は、返済義務がなくなる「自己破産」が唯一かつ現実的な解決策です。
弁護士や司法書士に断られる

「相談に行ったのに、受けてもらえなかった…」というケースもあります。
主な理由は以下の通りです
- 依頼費用(特に着手金)がすぐに支払えない
- 事務所の方針と合わなかった
- 連絡がスムーズに取れないなど、信頼関係を築けないと判断された
※特に、事前に費用が必要な事務所もあるため注意が必要です。

杉山事務所は債務整理のご相談が無料!

ご相談時に最適なプランを提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ:任意整理できなくても諦めないで!まずは専門家に相談を
今回は「任意整理ができないケース」について紹介しました。
「自分は当てはまるかもしれない…」と、不安になった方もいらっしゃるかもしれません。
でも、どうか諦めないでください。
たとえ任意整理が難しくても、借金問題を解決する方法は他にもあります。あなたの状況によっては、個人再生や自己破産の方が、より良い結果につながることもあります。
大切なのは、「あなたの状況に合った、最適な解決策は何か」を、専門家と一緒に見つけ出すことです。
司法書士法人 杉山事務所では、借金に関するご相談は何度でも無料で承っています。
手続きや費用について不安がある方も、お気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。