「父が亡くなった後、実家の名義はとりあえず母にすればいいの?」
よくある質問ですが、実は「何もしなくても自動的に母の名義になる」わけではありません。
そのまま放置しておくと、将来「売りたいときに売れない」「親族間でトラブルになる」といった深刻な事態を招く恐れがあります。さらに2024年4月からは相続登記が義務化されました。

司法書士の視点から、絶対に知っておくべき重要ポイントを分かりやすく解説します。
1. 知っておきたい「相続登記」の基本
不動産の名義を変更するには、法務局で「相続登記」という手続きを行う必要があります。

- 自動では変わらない: お父様が名義人だった場合、亡くなった後も手続きをしない限り、名義はずっとお父様のままです。
- 全員の合意が必要: 「母だから当然全部相続できる」というのは間違いです。名義変更には、法定相続人全員の合意が必要です。
- 書類の作成: 全員で話し合い、誰が相続するかを決めた書類(遺産分割協議書)を作る必要があります。
2. 放置厳禁!3つの注意点
① お母様が「自動で全財産」を相続するわけではない

法律では「法定相続分」というルールがあります。
(例:相続人が母と子ども2人の場合)
- 母: 2分の1
- 子ども: 各4分の1ずつ
お母様が勝手に名義を変えることはできず、手続きには子どもたちの協力も不可欠です。
実際にあったケースでは、相続から10年後に兄弟の一人が「自分の取り分が欲しい」と主張し、実家を売却せざるを得なくなった例もあります。
② 放置すると「売却・リフォーム」ができなくなる

「今すぐ住む予定がないから」と後回しにするのは危険です。登記をしないままだと、将来的に以下のことができなくなります。
- できないこと: 実家の売却、リフォーム、自宅を担保にした借り入れ。
- リスク: 時間が経つほど相続人が増え、話し合いが困難に。行方不明や認知症の相続人が出ると、解決に数年かかることもあります。
③ 2024年4月から「罰金」のリスクが発生

これまでは任意だった相続登記が義務化されました。
- 期限: 相続を知った日から3年以内
- 罰則: 正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料(行政罰)を科される可能性があります。
3. トラブルを防ぐために今すぐできること
未来のトラブルを防ぐため、以下のステップで早めに対応しましょう。
- 戸籍の取り寄せ: 亡くなった方の出生から死亡まで全ての戸籍を揃え、相続人を確定させます。
- 話し合いと書類作成: 相続人全員で合意し、遺産分割協議書に署名・押印します。
- 登記の確認: 「うちは大丈夫かな?」と不安な方は、法務局の「登記情報提供サービス」などで現状を確認してみましょう。
まとめ:早めの相談が安心への近道
実家の名義変更は、時間が経てば経つほど複雑になり、手間も費用も増えてしまいます。
- 「父名義のままかもしれない」と思ったら、まずは登記簿を確認。
- 「家族で名義の話をしたことがない」なら、まずは話し合いをスタート。
- 「手続きが面倒・不安」という方は、調査から申請まで丸投げできる司法書士への相談がおすすめです。

大切な実家と家族の絆を守るために、今こそ一歩踏み出しましょう。

