「司法書士や弁護士って、実際どれくらい稼げるの?」
「資格を取るまで、どんな生活を送っているんだろう…?」
士業という華やかなイメージの裏側には、想像を絶する努力とリアルな現実があります。
今回は、YouTubeで活躍する弁護士ビーノ先生をゲストにお招きし、司法書士の杉山代表とともに、弁護士と司法書士の「年収」と「キャリア」について普段はなかなか聞けない「士業のホンネ」に迫ります。
これから司法書士や弁護士を目指す方はもちろん、法律の専門家の仕事に興味がある方も、ぜひ最後までご覧ください。
まずは自己紹介!杉山先生とビーノ先生ってどんな人?
杉山先生: 今回は、弁護士ビーノ先生とコラボさせていただきます。よろしくお願いいたします。
ビーノ先生: よろしくお願いいたします!みなさん、はじめまして。弁護士のビーノです。東京で弁護士法人mamoriの代表をしており、弁護士としては10年目になります。

【10000時間!?】壮絶すぎる資格取得までの道のり
士業への第一歩は、難関国家資格の突破です。その道のりは、決して平坦ではありません。
司法書士試験の合格に必要な勉強時間は約3,000時間と言われていますが、司法試験はそれを遥かに上回るようです。実際に、ビーノ先生が合格まで費やした時間は、衝撃的なものでした。
杉山先生: 司法試験はどれくらいの勉強時間でしたか?
ビーノ先生: 計算したことがあるんですが、大学4年間とロースクール2年間、さらに司法修習を含めると、約10,000時間は勉強していましたね。

杉山先生: 1日10時間勉強しても1,000日…3年近くかかる計算ですね。
ビーノ先生:はい。本当に青春を無駄にしました(笑)。大学のサークルやバイト、旅行などは一切せず、ひたすら勉強だけの日々でしたね。

「その分、今を楽しんでいます!」と笑顔で語るビーノ先生。その言葉の裏には、計り知れない努力の日々があったことが伝わってきます。

【リアルな収入を大公開】弁護士・司法書士の初任給
ビーノ先生が弁護士になった2013年頃は、弁護士の「就職氷河期」。今でこそ新人でも月収70万~80万円を提示する事務所も増えましたが、当時は厳しい状況でした。
ビーノ先生の1年目の年収は、約500~550万円。もちろん、いわゆる「4大法律事務所」に入所できれば当時から年収1,000万円を超えることもありましたが、それはごく一部のエリートだけの道だったようです。

司法書士の初任給:「丁稚奉公」からのスタート
一方、杉山代表が司法書士になった2003年頃は、さらに状況が異なりました。当時は社会保険もない個人事務所が主流で、「勉強させてもらう」という丁稚奉公のような側面が強かったと言います。
ビーノ先生:給料はどれくらいだったんですか?
杉山先生: 27歳の時でしたが、同年代のサラリーマンよりは確実に少なかったです。手取りで言うと、月10万円強くらいだったかなと…。
ビーノ先生: 少ない。
杉山先生: 確実に少ない。っていうのが、基本的には私らの業界はそうだったかなと記憶しています。
ビーノ先生: てことは、確定申告をされて、国保も頑張って自分で払ってる時代だった?
杉山先生: 司法書士登録していましたから、確定申告して、必要な経費は経費計上させてもらってやってたっていうところなんですけども。月の収入でいったら、手取りでいくと10万強ぐらいのイメージですかね、最初は。
ビーノ先生: ええ!?10万強ですか!?

この厳しい下積み時代があったからこそ、早く独立を目指す司法書士が多かったのかもしれません。
独立後の厳しい現実と幻の「司法書士バブル」
独立すれば収入が上がるかと思いきや、ここにも厳しい現実があります。
弁護士と違い、司法書士は「顧問契約」という安定収入が少ないため、独立は収入ゼロからのスタート。杉山代表も、独立当初は銀行や不動産会社への飛び込み営業からキャリアを築いていきました。

しかし、そんな司法書士業界にも一度だけ「バブル」がありました。
広告が解禁されたタイミングで「過払い金請求」のブームが到来。この波に乗り、短期間で億単位の収入を得て、若くして引退してしまった司法書士もいたというから驚きです

士業の未来はどうなる?オンライン化がもたらす変化
近年、裁判手続きのオンライン化が進み、士業の働き方も大きく変わろうとしています。
ビーノ先生は、「これからは地域に関係なく、その分野で最も優れた専門家に仕事が集中する時代になる」と予測します。特定の分野に特化した専門性が、これまで以上に重要になるでしょう。


これは司法書士も同様で、昔は不動産の謄本を取るために現地の法務局へ足を運ぶ必要がありましたが、今ではすべてオンラインで完結します。
便利な時代になった一方で、両先生ともに「オンラインでは人間関係が希薄になりがち。お客様とのコミュニケーションをどうケアしていくかが課題」という共通の認識を示していました。

まとめ
今回は、弁護士と司法書士のリアルなキャリアと年収についてお届けしました。
- 資格取得には、青春を捧げるほどの覚悟と努力が必要。
- キャリアのスタートは、時代や所属する事務所によって大きく左右される。
- 独立後は、専門知識だけでなく営業力や時代を読む力も求められる。
- オンライン化により、専門性がより重要になる時代へ。
華やかなイメージだけでなく、厳しい現実もある士業の世界。今回の対談が、皆さんのキャリアを考える上での参考になれば幸いです。

