自己破産する前の注意点

債務整理のなかでも、支払い不能の状態に陥った方が行う手続に「自己破産」があります。
今回は、自己破産の申し立てをする前に注意しておきたいポイントについてお話しさせていただきます。
今からお話しする項目の中に、自分に当てはまるものがあるのであれば、一度専門家であるプロの司法書士へ相談するようにしましょう。
ショッピングができる機能がついているカード使用
普段、何気なく使ってしまう便利なカード。
手持ちの現金がなく、来月引き落とされるからついついカードでお買い物をしてしまう人は多いと思います。
特に、家電製品を購入するためにカード分割払いで買う人は比較的多いですよね。
ただ、クレジットカードで買い物をするということも立派な「借金」なのです。
自己破産申立をする際には、すべての債権者からの借入額を裁判所へ申告する必要があります。
借金という言葉は、直接お金の借り入れをしたものという認識がおありだと思いますが、実はクレジットカードでのショッピングも含むのです。破産手続きを進める際には、返済をすべてストップして頂きますが、一部の債権者に支払い続けていると免責が認めらない可能性もあります。便利な世の中になりカードで気軽にショッピングができることから、忘れてしまいがちですが必ず申告するようにしましょう。
保証人や連帯保証人がいる契約の有無
大きな金額を借りるときには保証人や連帯保証人が必要となる場合があります。自己破産をしたあなたは借金の免責がなされ、借金返済から逃れられたとしても、保証人となっている人はあなたに代わって借金を返済しなければなりません。
債権者は保証人に対して請求をしていくことになるので、もし保証人へ何も連絡せずに自己破産の手続をすすめてしまうと、手続開始直後、即座に保証人へ督促が行くことになります。
事前に保証人に相談しておき、もし保証人である人もその返済が難しいということであれば、一緒に債務整理の手続きを検討していく必要があるかもしれません。
給与を振り込む口座で銀行から借り入れ
もし、あなたが銀行から借り入れしている状態で自己破産手続きを進めていくとします。
全債権者の支払をストップする必要があることから、依頼した専門家から手続の通知を送付することになります。このような通知が銀行に届いた場合、一時的にATMでのキャッシュカードによる口座の利用ができなくなる可能性がありますし、口座に預金がある場合借金と相殺されてしまう恐れもあります。給与振込み口座の場合、振り込まれた給与を引き出すことが困難になることもありますので、事前に申告・ご相談ください。
債権者への返済をしているかどうか
貸金業者から借り入れをしたのち1度も返済をせずに自己破産手続きを進める場合、「はじめから借金の返済をする気がなかった」と思われ、免責が認められない可能性もあります。
1度も返済をしていないものがある場合、その旨を司法書士などの専門家へ申告してください。
公共料金などをカード払いにしている
ポイントが溜まるなどの理由で公共料金をカード払いにしている方が増えてきました。既に述べたようにクレジットカード利用の残高も破産債権に含める必要がありますので、公共料金や電話料金などの支払をカード払いから口座引落などに変更しなければならないケースも多いです。
借金返済のめどが立たず自己破産という手続きを考えている方は、些細なことを気にする余裕はないかもしれません。ですが、自己破産手続きとは人生をリスタートするための究極の手段です。法律家に依頼したとはいえ、自らがやらなくてはいけないことはたくさんあるのです。
司法書士法人杉山事務所では、随時ご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。