特定調停はどこの裁判所に申し立てるの?

借金返済の負担を軽減する方法として、債務整理というものがあります。
そしてその債務整理の1つ「特定調停」と呼ばれるものがあります。
特定調停は裁判所を通して行う話し合いのことです。
裁判所が仲裁役となり、債務整理を進めていきます。
では特定調停は、どこの管轄裁判所に申し立てをすればよいのでしょうか?
特定調停の管轄裁判所はどこ?
まず、民事調停法の第3条を見てみましょう。
調停事件は、相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する簡易裁判所の管轄に属する。
このように記されています。
つまり特定調停は、原則として債権者の住所、居所、営業所・事務所の所在地を管轄している簡易裁判所に申し立てをする必要があります。
例えば、債権者の事務所が東京にあるなら、その会社を管轄する「東京簡易裁判所」に申し立てをすることになります。
一般的には簡易裁判所に申し立てをする
調停事件は、簡易裁判所で行われます。
つまり見出しにもあるように、特定調停も簡易裁判所に申し立てをするのが普通です。
しかし、「管轄の合意」というものがあることを覚えておきましょう。
管轄の合意は、当事者間でどこの裁判所を管轄にするかを決定することです。
ですから、特定調停を地方裁判所でするという管轄の合意があった際は、地方裁判所で特定調停を行うケースもあるのです。
さらに債権者が東京の会社でも、大阪の簡易裁判所を管轄とするという合意があれば、大阪の簡易裁判所に申し立てをすることも可能なのです。
複数の債権者がいる場合の管轄裁判所は?
複数の債権者がいる場合、管轄裁判所はどうなるのでしょうか?
この場合、債権者がすべて大阪の会社であれば、
大阪簡易裁判所に申し立てをすれば大丈夫です。
つまりそれぞれの債権者ごとに調停が行われることはないのです。
では、複数の債権者がそれぞれ異なる地域に
住居または事務所がある場合はどうなるのでしょうか?
この場合は、一番多く債権者の住所などを管轄する簡易裁判所に
まとめて申し立てをすれば大丈夫です。
例えば、5社の債権者がいて、そのうち3社が東京に事務所があったとします。
そして残りの2社は、大阪に事務所があるとしましょう。
この場合は、大阪の2社も東京簡易裁判所で特定調停を行います。