おまとめローンと債務整理はどう違うの?

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おまとめローンと債務整理はどう違うの?

「おまとめローンをしようと思うのだけれど、債務整理とおまとめローン、どちらがよいのでしょうか?」
債務整理の相談を受けていると意外に多いこの質問。債務整理の中でも特に任意整理の対象となる方が気になる問題です。一時期、様々な銀行がおまとめローンのCMをしていたのを皆さんも記憶しておられるのでしょう。もちろんおまとめローンは、借金の整理方法の1つといえるのですが債務整理と比べたとき、どちらが得をするのかはその人の置かれている状況や考え方にもよるのではないでしょうか。
以下では、「債務整理(任意整理)」と「おまとめローン」の違いをみていきます。

<債務整理(任意整理)をした場合>

債務整理手続のうち「任意整理」とは、弁護士や司法書士に依頼することによって、借金の支払総額、支払月額の減少など債務の返済を軽減するため手続きです。
「任意整理」の特徴は次のとおりです。

・ 弁護士や司法書士に依頼して行う。
・ 過払金があれば返還請求を同時に行なえる。
・ 利息のカットができる(0%にすることを目的とする)。
・ 利息のカットにより支払総額が減少する。
・ 毎月の支払額が減少する。
・ 支払回数は36回~60回程度(交渉により60回を超える分割を組めることもある)。
・ 信用情報に事故情報が追加される。

<おまとめローンをした場合>

複数社に対して抱えている借金を、その中の1社または全く別の会社からの借入れにより全額返済し、債務を一本化することです。銀行だけでなく消費者金融もおまとめローンの商品を準備しています。借入先のうちの1つの消費者金融からおまとめローンの提案をされたことがある人もいるでしょう。返済をする会社が1社になることで返済の手間が省けることや金利が低くなることがメリットといわれています。
「おまとめローン」の特徴は次のとおりです。

・ 法律家は関与せず自ら行なう。
・ 過払金がある場合、別途手続をしなければならない。
・ 利息が低くなる(0%になることはない)。
・ 利率の低下により支払総額が減少する場合がある。
・ 保証人や不動産の担保を要求されることがある。
・ 審査を要するためすべての人が利用できるわけではない。

比較
<債務整理(任意整理)とおまとめローン>

 
  債務整理 おまとめローン
金利 将来利息のカット(利率0%)ができる 利率が下がることはあるが0%にはできない
過払金 手続の中で返還請求ができる 別途手続をする必要がある
元金 減るケースがある 減らない
月々の
返済金額
ほとんどのケースで減少 減ることもあるが、増える場合もある
返済総額 減少する 返済プランによっては増えることもある
返済期間 36回~60回
(業者によっては84回、96回の長期返済も可能)
1年~
契約内容によって異なる
条件 整理後の支払月額が拠出できるのであれば手続可能 融資の審査に通らなければ利用できない
費用 弁護士・司法書士への報酬が発生する 手数料や実費を除き、その他の費用は原則発生しない
財産の
清算など
不要 不要
事故情報 登録される 登録されない

どちらの手続においてもメリット・デメリットがありますが、「任意整理」では将来利息のカットによる支払総額の減少が大きなメリットとなります。「おまとめローン」は信用情報に事故情報が記載されないことが最大のメリットなのですが、手続としては「返済先の一本化」がメインとなるので支払いが楽になるかどうかという点においては任意整理に劣ることになります。

<任意整理後の借入れは難しい?>

債務整理のあと事故情報が登録されている期間は、確かに借入れが難しいといえますが、借入れの審査は年収、勤続年数、家族構成など多岐にわたります。審査が厳しい金融機関(クレジット会社)もあれば、そうでもないところもあり、借入れが全くできないわけではないといえます。

<おまとめローンの落とし穴>

実は、おまとめローンをした後、すべての人の生活が改善し完済に至るわけではないのです。おまとめローンをした後に払えなくなって債務整理の相談に来られる方が後を絶ちません。おまとめローン後の債務整理の相談は以下のようなパターンです。

① おまとめローンの支払いが苦しくて、完済した業者から借りて返済するようになりさらに苦しくなった。
② おまとめローンにより支払が楽になったが、完済したカードが使える状態であったがため、ついつい使ってしまい支払いが苦しくなった。

このような場合に問題になるのは、債務の総額がおまとめローンの契約前よりかなり膨らんでしまうところです。たとえば5社から合計300万円の債務のある人が、別の銀行から300万円を借入れて5社を完済した後、完済していた5社からまた借入れをしてしまい、債務総額が600万円になるようなケースです。そして、このようになった後の債務整理の方法は、債務総額の多さから自己破産や個人再生など裁判所を介する法的手続にならざるを得ないのがほとんどです。おまとめローンをする前にご相談いただければ、自己破産は回避できたのにと思うことが少なくありません。おまとめローンによって経済再生できる道があるのはもちろんですが、おまとめローンを利用する前に、自分にはどの方法が適しているのかを専門家に相談するべきであるといえます。

<新しくカードを作れないことはデメリット!?>

カードの利用や借入れに頼って生活をしてきた方にとっては、「カードが使えない」「新たな借入れができない」ことに不安を覚えるのは無理もありません。しかし、カードが利用できる、新たな借入れができる状況を維持しておくことが更なる悲劇を招くこともあるのです。新たな借入れができないことは、債務の完済のためには大変重要なことであり、債務整理という手続においてはなくてはならないものともいえます。ですから、新たな借入れができないことは、デメリットだと一概にはいえないのです。

<自己破産を回避するために>

だれもが「自己破産なんてしたくない!」と思っていることでしょう。もし債務整理をしなくてはならない状況に陥ったとき、「任意整理」で何とかしたいと思うのが一般的です。「借金苦」という病気にかかってしまったら、自らの判断で市販薬を飲むのではなく、専門家から「任意整理」という処方箋を受けるべきでしょう。そうすることによって「自己破産」という大手術を回避することになるのです。

債務整理をするのかおまとめローンを組むのか迷っている方。一度、杉山事務所にご相談ください。

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