債務整理の費用はどれくらい?知りたいことにお応えします!
専門家に頼んだ時の債務整理費用について
(1)任意整理
任意整理を弁護士や司法書士に依頼した場合の費用は、概ね以下のように分類されます。
① 着手金(基本報酬)
② 通信費などの実費等
③ 和解後の支払代行等手数料
着手金は依頼するために必ずかかる費用となりますが、大抵の弁護士、司法書士は分割での支払いに応じてくれます。事務所によって費用は違いますが、おおよそ1社あたり2万円~5万円程度の金額となっています。交渉による返済計画の変更後、完済まで専門家が返済管理や業者からの連絡に対応する場合には③の費用がかかることになります。
(2)過払金請求
過払金請求を弁護士や司法書士に依頼した場合の費用は、以下のとおりです。
① 着手金(基本報酬)
② 成功報酬
③ 通信費・交通費などの実費等
④ 裁判日当など
すでに完済している案件に関しては着手金が不要なところが多いようです。また、成功報酬は回収した過払金に応じた割合報酬になっているのが一般的ですが、10%~25%と事務所による違いがあります。任意整理を依頼した際に、一部の債権者に対して過払金が発生していた場合は、任意整理とは別に過払金請求の成功報酬や実費等が必要となります。
(3)自己破産
自己破産を弁護士や司法書士に依頼した場合の費用は、以下のとおりです。
① 着手金
② 成功報酬
③ 予納金などの実費
着手金は任意整理と同様、大半の専門家が分割払いに応じてくれるでしょう。しかし任意整理とは違って、同時廃止事件であるのか、管財事件であるのかなど手続きの難易度によって着手金が20万円~50万円と費用が大幅に変化することがあります。また、着手金とは別に成功報酬が必要となる事務所もあるようですので確認が必要です。同時廃止事件であれば予納金などの実費が1万円~2万円程度で済みますが、管財事件になれば20万円~50万円程度の予納金が必要となります。そもそも最初から管財事件として申し立てしなければならない場合には、弁護士に依頼するほうが予納金を少なく抑えることができます(少額管財事件)。
(4)個人再生
個人再生を弁護士や司法書士に依頼した場合の費用は、以下のとおりです。
① 着手金
② 成功報酬
③ 予納金などの実費
個人再生には小規模個人再生と給与所得者再生の2種があります。費用については30万円~50万円と事務所によって差がありますが、小規模個人再生と給与所得者再生のどちらを選択しても費用の違いはないようです。しかし、住宅ローン特則(住宅ローンを支払いながら個人再生手続きをすること)を利用する場合は、上記費用に5万円~10万円の追加費用がかかるのが一般的です。通常予納金は2万円~3万円程度ですが、裁判所の判断により再生委員が選任されることになると20万円~30万円程度の予納金を収めなければなりません。
債務整理手続きにおいて過払金がある場合は
2010年以前からの高い上限金利(貸金業法の改正前)で返済をしていた場合には、利息制限法に準じた利率で計算しなおすことになりますので残元本が大きく減ることもありますし、払いすぎた分が過払金として返還される可能性もあります。返還金から専門家に対する債務整理報酬の全額をまかなえるのであれば、最初に費用を払ったり、分割で払ったりしなくてよい事務所もあります。
和解後のサポート業務
債務整理のうち任意整理については、新たな返済条件の和解を成立させた後、各業者に対しての返済がすべて完了するまで引き続きサポートを行なう事務所もあります。もちろん幾分かの費用はかかりますが、毎月の支払いを代行してくれるため、各社それぞれに振り込む手間が省けおまとめローンのように支払先が1ヶ所になるという点で依頼者に大きなメリットがありますし、支払いが遅れるようなことがあっても直接業者から連絡が来ないといったメリットもあります。稀に、このように支払い完了まで専門家が責任をもたないと和解に応じない業者もありますし、専門家が最後までサポートすることを条件に柔軟な返済計画に応じてくれる業者もあるのです。
債務整理費用の支払い方法について
貸金業者への支払いに苦しんでいる人、特に多重債務の人(債務者)が、そこから脱する道は専門家をたずねるところから始まります。専門家による債務整理の方法は自己破産や個人再生のような裁判所を介する「法的整理」、裁判所を介さない「任意整理」に大別されますが、いずれの手続きを取るにせよ依頼する以上専門家に対する報酬は支払わなければなりません。しかし、これまでも返済に苦しんできた方にとっては「報酬など支払えるのだろうか」と感じてしまってもムリはありません。ところが、ほとんどすべての人たちがきちんと報酬を支払っています。ではどのように支払っているのでしょうか?
債務整理を弁護士や司法書士に正式に依頼をした時点で弁護士や司法書士は貸金業者に対し依頼を受けた旨の文書を送付します。それ以降は手続きを適正に進めるために貸金業者に返済をしないように専門家から指示を受けることになるのですが、返済をやめてしまっても業者から督促をされることはありません。そして、借金の返済をしなくてよくなり、ある程度生活に余裕ができるこの間に専門家への報酬を支払っていきます。もちろん報酬を分割支払してくれる事務所がほとんどですから、計画を立てて支払いをしていくことができ、交渉によって変更された借金の返済が開始する前に報酬をすべて納めてしまうのです。このように専門家への報酬支払いと業者への返済を同時にするような事態は極力避けて手続きを進めるため、無理なく報酬を支払っていけるのです。
債務整理をしたいけど専門家への報酬の支払いがどうしても難しい……。
分割払いであっても報酬の支払いが厳しいといったケースもあると思います。経済的に余裕のない方が法的サービスを受けられるようにするために、国が設立した「法テラス(日本司法支援センター)」という機関が、一定の収入基準以下の方に対して弁護士や司法書士費用などの費用を立替える制度があります(民事法律扶助)。もちろん、立て替えてくれるだけなので分割による償還(返済)をしなくてはなりませんが、生活保護など条件を見たせば償還が免除されることもあります。
債務整理を検討しているけれど、費用がどれくらいかかるか心配している方。一度、杉山事務所にご相談ください。
司法書士 K