債務整理した後のクレジットカード作成について

債務整理のうち自己破産や個人民事再生は裁判所の判断によって借金を減らし、任意整理は専門家である司法書士に貸金業者と交渉してもらい借金を減らす手続きです。債務整理をした場合、新たにクレジットカード(クレカ)を作ることは難しくなりますし、任意整理の場合で手続きから除外したクレジットカードも使えなくなる可能性があります。手続きをしてしまえば一生クレジットカードが使えないのでしょうか?
財布の中を見れば複数のクレジットカードがあるはず
日々の生活を送るのにクレジットカードは非常に便利なアイテムですね。たくさんのクレジットカード会社(信販会社)がありますが、信用情報機関CICに加盟しているクレジット会社はなんと343社もあります。また、ほとんどの人がクレジットカードを持っていると思いますが、CICの統計から推定すると、1人あたり2〜3枚のクレジットカードを持っていることになります。
信販会社、銀行、貸金相互に情報交換しています
そのCICは法律で定められた指定信用情報機関です。消費者金融、金融、販売信用の全業種を網羅する指定信用情報機関であるJICC、銀行系の全国銀行信用情報センターの3社は、借入情報や延滞情報などを交換しています。法律に基づく過剰貸付を防ぎ、多重債務者を減らすことが目的です。
債務整理をするとこの信用情報に「事故情報」として登録されます。それが「ブラックリストに載った」と皆さんが表現されるものです。ブラックリストというリストがあるわけではなく、個人情報に事故を示す印が付くことを指すのです。
CIC、JICC、銀行信用情報センターのどれかに事故として記載されれば、抹消されるまで、クレジットカードの発行は困難になります。
しかし、それでは生活が不便極まるという方もいるでしょう。
債務整理をした会社で新規クレジットカードの発行は難しい
直接、債務整理をした会社では、債務整理に基づく返済が終わるまでは新しくクレジットカードを作ること無理でしょう。
ブラックリストに載っても「事故」情報は、期間が過ぎれば抹消され、クレジットカードを再び発行してもらえる可能性があります。しかし債務整理をした会社では信用情報上の記録抹消とは別に、自社のデータベースには登録されているはずです。ですから、再度発行してもらうのは困難だと考えます。
信用情報機関へのブラック登録期間は5〜10年です
3つの信用情報機関に事故情報として登録される期間は、CICとJICCは5年、銀行信用情報センターは10年です。自己破産の場合、官報に自己破産が掲載されますが、CICとJICCは官報から情報を得て5年、銀行信用情報センターは10年間保存されます。
1任意整理の場合、最大で整理期間+5年間、クレジットカードを作りづらい
事故情報は、通常、事故事由の解消から5年で抹消されます。しかし、貸金業者の中には事故事由の解消を返済の終了とするところがあり、そうすれば債務整理の返済期間が5年であれば手続き依頼から10年間は、クレカを作ることが難しいと考えて下さい。
2個人再生の場合、8~10年間クレジットカードを作りづらい
個人再生は、民事再生法にしたがい裁判所の決定により3年間で債務を返済するものです。司法書士ら専門家の協力を得て裁判所に申請します。
登録期間はCIC、JICCは5年間ですので基本的に8年間、クレジットカードを作ることは難しいと考えてください。銀行個人情報センターは事故登録が10年間ですので手続き依頼から最大10年間は困難になるかもしれません。
3自己破産は免責から10年間はクレジットカードを新規作成することは難しい
自己破産は、裁判所の決定ですべての借金(負債)を免責してもらい生活再建する事です。登録期間がCIC、JICCは5年間、銀行個人情報センターは10年間です。基本的に10年間、クレジットカードは作れないと考えましょう。
期間内でも作れる例もあります
上記でまとめたように、最短でクレジットカードを作れるのは債務整理から5年です。ところが、債務整理をしていなくても審査に通らない事があります。
これは発行会社が事故情報だけにとらわれていないからです。信用情報には[氏名][生年月日][住所][勤務先名]などの本人に関する情報や[契約の種類][極度額/内キャッシング枠]などの契約の内容、そして[残債額/内キャッシング残債額][返済状況][経過状況]などの支払の状況が記載されています。特に支払い状況は重要で、遅れがあるとマイナスの評価になります。また、他社の債務状況や収入なども審査の対象となるため事故情報がなくても審査に通らないことはありえるのです。携帯電話の本体を毎月の通話料とともに分割払いしている場合で、その支払いが遅れれば支払い状況は「未払い」と記録されてしまいこれも審査に通らない原因となりえるのです。また、これらとは逆に債務整理をしたのにもかかわらず、事故情報が抹消されるまでに新たなカードが発行された事例もたくさんありますし、自己破産後に自己破産の破産債権者であった業者が再度貸してくれるといった事例もあるのです。つまり、事故情報だけに一喜一憂すべきではないということです。