任意整理って何?

債務整理の中には『任意整理・特定調停・個人民事再生・自己破産』の4つがあります。
今回はその中でも、最も困窮度が低いと言われる「任意整理」について詳しくご紹介していきます。
任意整理って何?
債務整理の中でも最も困窮度が低い任意整理は、裁判所を通さずに直接債権者と話をして借金減額など債務整理を進めていく方法になります。
そういう意味では個人でも任意整理はできますが、司法書士などの専門家に頼むと安心して結果を待つことができます。
どうしてわざわざ司法書士に頼むの?
お金がなく、借金返済にも困っているから任意整理をするのであって、そんな状態でわざわざ費用のかかる司法書士に依頼することに疑問を感じている債務者も多いようです。
確かに司法書士に依頼することは費用がかかりますが、それをしてもお釣りが来るくらいのメリットが隠されています。
借金返済がすぐ止まる
司法書士に任意整理を依頼すると受任通知という通達が債権者に送られます。
これは「〇〇さんから正式に任意整理の依頼を受けたので、今後は△△が代理人となって対応します。それに伴う資料提出など協力してね」という司法書士から債権者に対する挨拶文です。
そして、貸金業法により、司法書士など有資格者から受任通知を受けた後は返済を求めてはいけないと定められているのです。
司法書士に依頼することですぐ返済を止めることができるのです。
有利に交渉を進められる
債権者は年間何件もの債務整理交渉に臨んでおり、その道のプロです。
大手になると顧問の司法書士や弁護士が出てくることもあります。
もちろん話がもつれれば裁判に移行することも考えられます。
そういったことのないように債権者との話し合いを有利に進めるには、それなりの経験と法律知識がなければできません。
だから司法書士がいるわけですね。
任意整理できる人ってどんな人?
債務整理の多くは「返済が不能となっている人」という規定がありますが、任意整理だけは何も規定がありません。
つまり、借金をしている人なら誰でも任意整理はできるということです。
仮に返済に特に困っていなくても任意整理をすることは可能です。
ただ、こうなると「ダメ元でやってみよう」という債務者が増えてしまうので、債権者側は次の対応をしています。
CASE1連帯保証人に一括返済を求める
もしあなたに連帯保証人がいる場合は、あなたから返済をしてもらうのではなく、代わりに連帯保証人に返済を求めます。しかも、債権者とすればあなたへの信用がないわけですから、連帯保証人と新たな返済契約を結ぶことはせず、一括返済を求めるのが一般的です。
CASE2司法書士など有資格者でなければ応じない
素人が交渉をすると、計算間違いをしたり、法律知識を間違って身につけてしまったりとトラブルが多く手間がかかるので、債権者によっては司法書士など正式な依頼であれば応じる可能性が高いです。ですが借入後短期間しか返済していない場合は司法書士、弁護士でも整理に応じないことがります。それでもやはり個人の場合には話し合いにすら応じてもらえない、または「調査中」という形で何も進展がないまま時間が過ぎてしまうことがあります。ちなみに、個人で任意整理をする場合は受任通知のメリットはないので、任意整理の結果が出るまではそのまま返済することが求められます。
任意整理にかかる費用ってどのくらい?
任意整理でかかる費用は大きく2つに分かれています。
今回は特に費用がリーズナブルだと言われる司法書士で、その一例をご紹介します。
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着手金
これは正式に依頼した時点で発生する費用です。
任意整理は複数社を相手にすることが多いので、「1件あたり〇〇万円」と定めているところが多いようです。
司法書士の場合は1件あたり2~3万円で複数社依頼となると割引されることがあります。 -
減額報酬金
これは実際の返済額からいくら借金が減額されたか、その減額された額に乗じて発生する費用です。
別名「成功報酬」とも呼ばれます。
計算に使われる割合は事務所によって差がありますが、多くのところで約10%となっています。
任意整理のメリットとデメリット
任意整理のメリットとデメリットを簡単にまとめます。
それぞれを理解し、正しく活用していきましょう。
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「任意整理のメリット」
- 司法書士に依頼をすれば返済や取り立てが止まる
- 将来的な利息を全額カットできる可能性がある
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「任意整理のデメリット」
- 交渉が決裂する可能性がある
- 連帯保証人に債務が移行する可能性がある
任意整理は裁判所も通さなくて良いので、手軽に利用できる債務整理であることは間違いありません。
しかし、得られる結果は借金全額免除というわけではないので、支払い能力を兼ね備えていなければなりません。
まずは司法書士の無料相談などを利用してみてはいかがでしょうか。