任意整理の期間はどれぐらいかかるの?

債務整理には、さまざまな方法があります。
任意整理、特定調停、個人民事再生、そして自己破産。
さまざまな方法の中でも、特に利用される機会が多い任意整理についてお話していきます。
今回お話するのは、任意整理の期間はどれぐらいかかるの?という点です。
受任通知から和解契約の締結までの期間
まず、手続きに要する全体の期間としてはどれくらいかかるのでしょうか。
全体の期間を、「司法書士が受任通知を送付してから和解契約の締結に至るまで」とします。
この場合は、大体3ヶ月程度かかるのが一般的と言われています。
ただ交渉相手によって、その期間は異なってきます。
では次に、具体的な手続きの流れや内容についてお話していきます。
任意整理の手続きの流れ
①受任通知送付
↓
②利息制限法による引き直し計算
↓
③和解交渉
↓
④和解契約の締結
↓
⑤支払いの開始
簡単に説明するとこのような流れになります。
1受任通知
はじめに「受任通知」についてお話します。
任意整理を行うためには、まず司法書士に依頼し債権者へ受任通知を送付します。
司法書士が代理人となり、任意整理の手続きを行うことを債権者に通知するものが受任通知です。
(※司法書士に代理人となる場合は、債権額が140万円以下の場合に限ります。)
また任意整理を行うには、過去の取引明細が必要になります。
受任通知の送付とあわせて、取引明細の送付を債権者に依頼します。
2利息制限法による引き直し計算
受任通知送付後、早ければ2~3日程度、遅ければ2ヶ月程度で債権者から取引明細が送られてきます。
その取引明細を元に引き直し計算を行っていきます。
受任通知送付からここまでの工程を終えるのに、通常約1~2ヶ月かかります。
3和解交渉
利息制限法による引き直し計算が完了したら、次は債権者との和解交渉を進めていきます。
引き直し計算によって出た金額を元に、債権者と和解交渉を行います。
一般的に行われる和解交渉の内容としては、借金残高の分割支払いの要望です。
支払い期間としては、原則として3年間36回払いとなっています。
ただ場合によっては、5年間最大60回払いになることもあるようです。
もちろんこれは、債権者や交渉次第というところもあります。
4和解契約の締結
和解交渉が上手くいき、債権者と依頼者の双方が納得できる形に納まるといよいよ和解契約の締結へと進みます。
和解契約後の借金返済については、将来利息カットが一般的ですので借金の元本のみ返済していきます。
将来利息というのは、和解契約後の借金返済期間に発生する利息のことです。
受任通知送付から和解契約の締結まで、早くて3ヶ月程度かかります。
長い場合は、半年程度の期間が必要になる場合もあります。
支払いの開始
以上が一般的な任意整理にかかる期間と、手続きの流れになります。
ただ債権者と和解契約締結後は、借金返済をしていかなくてはならないことを頭に入れておきましょう。
最後に、この一連の流れを終えた後、分割支払いで借金返済をきちんと行わなかった場合の話をしておきます。
和解契約書では、借金返済の滞りの限度回数が定められています。
万が一借金返済をきちんと行わず滞った回数がその限度回数を越えた場合、稀ではありますが期限の利益を喪失するケースもあるようです。
ですから司法書士を通じて任意整理を行う場合は、きちんと和解契約書に則って借金返済をしていくことが大切です。