任意整理にかかる費用と支払方法について

任意整理は、貸金業者からの借金返済が難しくなった人が、司法書士など専門家に頼んで貸金業者と交渉してもらい、毎月無理のない金額に分割して返済しやすくする方法です。
交渉するのは専門家ですから、専門家に対する正当な報酬は支払わなければなりません。一方で、これまでも返済に苦しんでいたわけですから「支払えるのだろうか」と感じてもムリはありません。でも、ほとんどすべての人たちがきちんと報酬を支払っています。
正式依頼の時点で取り立てがなくなります
借金は、相手が誰であれこじらせる前に手を打つ方が解決できる可能性が高いのです。貸金業者への支払いに苦しんでいる人、特に多重債務の人(債務者)が、そこから脱する道は、専門家をたずねるところから始まります。そして、脱する方法を専門家と相談して決めます。
借金整理の方法は自己破産、民事再生のような裁判所手続である法的整理か裁判所を介さない任意整理に大別されます。
正式に依頼をした時点で司法書士が貸金業者に対し、正式依頼を受けた旨の文書を送付し、貸金業者からの借金取り立ては、この時点でいったん止まります。
ここから、だいたい6か月位が、債務者にとっても「勝負の時」です。
この間、借金返済をしなくていいのですが決して浪費してはいけません。これを貯めておいて専門家への報酬支払いに充てるのです。今後の地道な生活に戻る第一歩です。
専門家に頼んだ時の費用について
専門家には、相談の時から債務整理をして新しくまとまった返済計画に沿った支払いが終わるまでお世話になります。それを項目別に整理すると「相談料」「着手金」「報酬金」「実費」の4つに分類できます。
1相談料
借金の返済が大変な人からの相談であることを配慮して、今は相談料が無料の事務所が、多くなっています。
2着手金
3報酬金
取引履歴を取り寄せて、利息制限法に照らして適法金利に引き直し計算したうえで、貸金業者に対して「経過利息」と「将来利息」の2つの免除も求めます。経過利息は最終取引日から和解が成立するまでの利息、将来利息は和解が成立してから完済までの間に発生することになる利息です。
最近は、この2つの利息を共にカットすることに応じる業者が減っています。業界の体力も落ちてきているというのが考えられます。
いずれにせよ、当初の残債額よりも返済額が減ることは確かです。
分割払いもできます
着手金、報酬金の合計額が司法書士への報酬です。これは分割払いができますから十分に相談しましょう。着手金、報酬金のどちらかを無料にしているところもあります。
専門家に対する報酬支払いと債権者に対しての新たな返済の時期が重ならないように、まず報酬支払いを済ませ、その後に債権者に対する支払いを始めるのが妥当なやり方です。
過払い金がある場合は
2010年以前からの高い上限金利(貸金業法の改正前)で返済をしていた場合には計算しなおして、元本が大きく減る場合もありますし、場合によっては、払いすぎた分が過払金として返還される可能性もあります。その場合は、返還額の20%程度を司法書士への報酬として支払う必要があります。
返還金から報酬をまかなえるのであればそこで処理をします。
4実費
借金体質の改善とコスト計算
<専門家に依頼することで下がる貸金業者への支払額>と<専門家に支払う報酬額>を比べてみて、費用対効果を考え依頼しましょう。